住職レター 令和3年6月号

 5月半ばに、私の住むここ岡山県に出された緊急事態宣言は、一度の延長を経て6月20日に解除となりました。現在は岡山県独自のリバウンド防止強化期間となっておりますが、最近は感染者が発表されない日や、あっても数人にとどまっていています。一時は80%を超えていた病床使用率も、現在は10%を切り、周りでもワクチン接種を終えられた方が増えてきて、少し平穏な日々が戻ってきた気がします。
 しかし、同じ国内でも、首都東京では、日に日に感染者数が増えていて、新たな変異株への不安もあり、相変わらず一喜一憂する日々は変わりません。マスクや手洗い、手指消毒などはもはや日常の風景になりました。絶対に広まらないだろうと思っていた「マスク会食」でさえ、当たり前になっています。マスクも外出の時はサージカルマスク、家の中では布マスクというように、自分なりの付き合い方もできてきて、一年かけてウィズコロナの生活を身につけていたことに気づきます。
 お寺を訪れる方も、お墓参りの方も、ほとんどがマスクをされています。これからの時季は、熱い中の墓掃除が熱中症を引き起こしかねませんので、水分補給や、人がいない時はマスクを外すなど、気をつけていただきたいと思います。
 今年は春先から暖かい日が続き、梅雨入りも早かったため、花が咲くのもフライング気味です。5月から咲き始めたアジサイたちは、6月半ばには、咲き終わりを迎えました。ナツツバキも同じく梅雨明け前には散りました。今は、去年より2週間も早く、蓮が咲き始めています。今年は色々な種類のレンコンや種を知り合いのお寺さまからいただきました。最初に咲いたのは、白い一重の金鳳展翅(きんぼうてんし)、二番目は、内側が白い爪赤の八重の蓮でした。金鳳展翅はその名のとおり、開きかけの花を横から見るとうっすら金色に見え、黄金の羽根を広げようとする鳳凰のようで神秘的です。八重の蓮は実生から育てた三年目の蓮で、なんとも可愛い色合いです。山門をくぐり、新しくできた境内の通路の横にずらりと蓮鉢を並べておりますので、お寺を訪れた時には、ぜひ見て行って下さい。蓮鉢の中にはメダカも元気に泳いでいます。







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