住職レター 令和3年4月号

 相変わらずコロナの話題を聞かない日はなく、コロナの話をしない日がない毎日ですが、花が咲き、草も生えて、自然はいつもどおりの営みを続け、私も日々の作務を続けています。
 お寺では、3月中旬から、始まった境内の工事が終わって、歩きやすい通路にしていただきました。お陰さまで、杖や、手押し車、カートなど使われる方に「歩きやすくなった」と、喜んでいただいています。玄関まではフラットになりましたが、そこから本堂に上がるところの段差が大きいとか、霊園への道が舗装されていなくて通りにくいなど、まだまだ気になる箇所がたくさんありますが、護持会とも相談しながら、少しずつ改良していくつもりです。
 現在は、崩れる寸前になっている土塀を応急措置として支える塀を作っていただいております。それが終わったら、土塀の前の花壇に手を入れたり、土塀の近くの大きくなりすぎた木を伐採したいと思います。

 4月最初の写経会に合わせて、写経会員のみなさまと一緒に「花まつり」をしました。花はその時お寺にあった花と、敷地内に咲いている花を使い、花見堂を飾りつけ、甘茶を誕生仏さまにかけていだだきました。甘茶は毎年、奈良県吉野のお寺の奥さまがこの時季に合わせて送ってくださいます。
 曹洞宗には、全国曹洞宗寺族会という、お寺の家族で構成される会があるのですが、その会の研修で東京の宗務庁に妻が行った際に仲良くなった方ですが、それから十数年間、毎年欠かさず届きます。現在はコロナ禍で東京に行くことも、大人数で集まることも中止になっていて、書面やオンライン会議に代わっていますが、人と人とが直接会ってふれあうことから生まれる、「ご縁」は、かけがえのないものだと実感します。
 写経会のみなさまにも、マスク着用や手指の消毒など、感染対策にご協力いただいています。楽しみにされていた、写経後の会食もしていませんし、換気に気を付け、離れて座って黙って写経をするなど、さぞ窮屈だろうと思いますが、休まれる方はほとんどおられません。外食や旅行などができない分、たまに顔を会わせるだけでも嬉しく、お寺での写経が気分転換になっていると言われていて嬉しく思っています。会食の代りに持ち帰っていただく精進弁当も喜んでいただいております。
 裏山の八重桜通りも例年より少し早く満開を迎え、見に来られる方もちらほら、おられました。今年も車道から離れた場所の花のつぼみと葉を少し頂き、来年のために塩漬けにしました。コロナ禍でも変わらない自然の恵に感謝です。







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