住職レター 令和3年10月号

 昨年の秋、境内の真ん中に数十年間、シンボルツリーとして存在していた木を伐採しました。長い間、子どもたちの成長を見守り続けてくれた愛着のある木でしたが、建物からほど近く、超大型台風などの自然災害が尋常でなくなった昨今、境内に鎮座するには大きくなり過ぎため、やむなく息子たちと協力して切り倒しました。それから1年が過ち、残しておいた木の根元も良い具合に乾いてきたので、根をそのまま活かした形で、その上に鎮座している様に見えるようにお地蔵さまを彫りました。上手とまでは言えませんが、我ながら愛嬌のある可愛いお地蔵さまに仕上がったと思います。このままでは年月で腐食していくでしょうから、木材腐食防止塗料を塗って、さらに屋根を作ることを考えています。また、折角のお地蔵さまですので、名前を付けてあげたいと思い、ただいま募集中です。良い案がありましたら、お教え下さい。
 昨年秋、沖縄島唄歌手の玉城貞子さんと門下生による「三線のお月見ライブ」を予定していて、壇信徒の皆さまにも案内をさせていただきました。しかし、秋からのコロナウィルス感染症の再拡大により、やむを得ず中止になりました。その後、桜の季節にもお花見ライブを企画しましたが、緊急事態宣言が出たりしてまた延期になり、三度目の正直でこの秋やっと開催にこぎつけました。上出のお地蔵さまの仕上がりを急いだのも、このライブに間に合わせようと思ったのもありました。とはいえ、歌もあるライブですので、感染症対策のため、関係者以外には告知せず、ほぼ無観客でのライブになりました。その様子は後日、玉島テレビで放送され、また、YouTubeの玉城貞子島唄チャンネルでも観ることができます。
 元々は二男が玉城貞子さんのファンで、小学校の頃からコンサートがある度に観に行っていました。中学生になり、諸事情で、部活動をしなかった二男が、玉城先生の三線教室に通いたいと希望したので、行かせていたのがご縁です。教室に連れて行っていた妻も習いはじめ、今まで全く馴染みのなかった沖縄音楽が家の中で流れるようになりました。
 十何人での三線の演奏は思った以上に圧巻でした。初めて見る本場の沖縄舞踊も美しくて、また、玉城さんの新曲も2曲、聴かせていただきましたが、情感あふれる歌声に胸を打たれました。コロナが収束したら是非次は、有観客でのライブを海徳寺で開催し、皆さまにもこの感動を届けていただきたいものです。







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