住職レター 令和2年5月号

 岡山県の緊急事態宣言は解除されましたが、新型コロナウイルス(SARS-CoV2)感染症との戦いは長期戦の構えを見せ、決して油断のできない日々が続いております。大学生の長男は今月からオンライン授業となり、1月末からずっと、東京に帰ることは叶いませんでした。中学生の二男は、4月の新学年から7時間授業が始まりましたが、それも1週間で終わり、今は週に2回、分散登校での登校日があるのみです。先生方のご配慮で、25分の授業を6単位して頂いていますが、これは授業日数には含まれず、実質は相変わらず家庭学習がメインとなっています。
 海徳寺でも坐禅会、写経会の再開の目処はたっておりません。今は、小規模での葬儀や、依頼された法事はさせて頂いておりますが、会食は遠慮しています。常々、こういった機会こそ、壇信徒の方々のご家族、ご親戚と懇親を深めたいと思い、時間の許す限り参加していたのですが、「新しい生活様式」ではそれも叶わぬこととなりました。どうぞ水入らずで、故人を偲び語って下さいと申し上げております。なるべくご当家の意向を重視し、できる限りのご供養をさせていただきたいと思っています。 登校しないので、時間が余っている息子たちに、こういう時こそ「生きる力」をつけて欲しいと思い、色々なことを経験させています。家事も積極的にさせているので、料理のレパートリーも増えました。また、庭の木の剪定をしたり、草刈り機を使いこなし、軽トラックで木を運び、一輪車で土を運び、竹箒、熊手などを使うのも上手になりました。 今日は、石垣を作るために、大きな岩を動かしましたが、随分と力もついて、頼もしくなってきました。学力については心配するところもありますが、それ以上の勉強をしているのではないかと思っています。
 墓地との間にメダケが密集して生えて、鬱蒼としていたのですが、春先から子どもたちと三人で刈っていきました。とても見晴らしが良くなって、空が近くなった気がします。器用な方が、刈り取ったメダケを組み立てて、柵を作って下さいました。内側は、茗荷やハーブ、ウドなどの畑なのですが、境界がなかったので、煩雑な感じになるのを防いでくれます。 私自身も法務や研修等が延期や中止になって時間が出来ましたが、日々の仕事に追われて手が付けられなかったことが、片付いています。感染症は早く終息して欲しい気持ちで一杯ですが、少しだけ立ち止まる時間が出来たのは良かったかなと、思い、作務に励む毎日です。







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