住職レター 令和2年2月号

 萬松山 可睡齋(ばんしょうざん かすいさい) 静岡県袋井市にある曹洞宗の寺院です。
 応永8年(1401年)に如仲天ァ(じょちゅうてんぎん)禅師が開山した600年の歴史を刻む名刹です。聖観世音菩薩を御本尊とし、高祖承陽大師と太祖常済大師が両祖です。徳川家康との故事により「可睡斎」と称され、秋葉の火伏として信仰を集める秋葉総本殿三尺坊大権現を祀る禅道場です。 (以上 公式ホームページ 可睡斎縁起より)
 上記の徳川家康との故事とは、幼い頃武田信玄の軍から逃れ父と共に匿われた礼に訪れた際、席上で居眠りをする仙麟等膳和尚を見た家康が「和尚我を見ること愛児の如し。故に安心して眠る。われその親密の情を喜ぶ、和尚 、眠るべし」と言ったため「眠るべし=可睡」と呼ばれる様になったということです。
 秋葉山(浜松市)の神仏分離に伴い三尺坊大権現が遷座され火防災除の寺ともなっております。また曹洞宗の修行道場として僧堂もあります。
 可睡斎では精進料理をいただくことができ、またこの時期は6年前から「可睡斎のひな祭り」を開催されています。海徳寺でも規模は遠く及びませんが、倉敷雛めぐりに合わせ、ひな飾りをしておりますし、精進料理も出させていただいておりますので、勉強を兼ねて訪れて見ました。 雑誌等で見ておりましたが、実物は想像以上の美しさでした。人形供養で集まったひな人形を寺内中に飾り付けており、また時代衣装やつるし雛、ちりめん細工などのたくさんの展示作品がありました。特に瑞龍閣の大広間に飾られた、天井まで届きそうな32段1,200体のお雛様は壮観でした。
 精進料理も目に美しく、素材の生きた優しい味付けで美味しく頂戴しました。典座をされていた和尚様ともお話させていただきましたが、一日に200食作ることもあるとか、私自身も修行中や法要で典座を何度か経験しましたが、それは大変だろうなと感じました。
 天候にも恵まれ、良い旅でした。今は感染症が流行っているため、しばらく不要不急の外出は控えないといけませんが、四季の移ろいを楽しむことのできる平穏な生活が一日も早く戻ってくるよう、願うばかりです。








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