住職レター H30年5月号

 5月のゴールデンウイーク、鯉のぼりが爽やかな風に泳ぐ吉日に、帰省していた家族と、集まってきた親族たちに見守られて、二男の十三まいり法要を行いました。
 十三まいりとは、「知恵もうで」とも呼ばれます。干支が一回りしたことをお祝いして、智慧と功徳を授けるといわれる虚空蔵菩薩様にお参りします。ここまで無事に育ってくれたことへの感謝と、成長への願いをこめる法要です。
 海徳寺では、自分の決意や願いを込めた「一文字写経」を奉納した後、皆で虚空蔵様の偈文をお唱えし、一緒にお供えした十三種類のお菓子を頂いて帰ります。そのお菓子をみんなで分けて食べると知恵を頂けると言われています。修行中の身の大学生の長男も帰省し、初めての祈祷太鼓をたたいて弟を祝福しました。
 また、この度、海徳寺の山門の両側に、檀信徒様のご寄進により、だるまさんが設置されました。台座のイメージはだるま落としです。書かれている文字は「抜苦(苦しみを取り除く)」と「与楽(未来に向かい前向きに進む)」です。また数字の七、八は「七転び八起き」を表していて、「何度失敗しても屈しないで奮い立つ」という意味があります。しかめっ面の七のだるまさんに苦しみを飲み込んで貰い、八のだるまさんのにっこりした口元から幸せを吐き出してもらいます。
 だるまさんは、元はインドから中国に渡り禅宗を確立した達磨大師のことですが、今では縁起物の福神として親しまれています。
 この対のだるまさんは、デザインの段階から何度も話し合い、やり直しを経てやっと出来上がってきました。お寺の新たなシンボルとなって、訪れる方を出迎えてくれることでしょう。








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