住職レター H30年12月号

 1年前の12月の原稿を見直してみると「平成時代の最後は、是非ともその名の通りに、平らに成る年であって欲しいと願う」と書いておりました。残念なことにその願いもむなしく、全国的に豪雨や地震などの自然災害に苦しめられた一年でした。まして災害には縁遠いと思っていた、この地岡山が、あれほど酷い豪雨災害に見舞われるとはゆめゆめ思っておりませんでした。歴史を振り返ってみると、あり得ないことではなかったのに、何と傲慢で不確かな自信を持っていたものだと反省しきりです。
 年末の地域のテレビ番組や、地域紙などでも、今年は豪雨災害が特集されています。新たな年を迎えようとしている今尚、元の生活には戻れていない方もたくさんおられます。この試練を何とか乗り越え、このことを糧に、次世代に繋げていきたいものです。
 毎年12月の第一月曜日には、お炊き上げ法要と写経供養を行っております。法要を行い、写経会員さんが書きためた写経を供養され、古い塔婆や白木の位牌などもお焚き上げしました。その後、精進会席料理を召し上がっていただきました。
 法務に追われ、年末準備も中々進みませんが、子どもたちが大きくなって手伝ってくれるので、とても助けられております。年末年始の行持なども少しずつでも伝えていけたらと思い、面倒でも一つ一つ手をかけて用意しています。
 来年は元号も変わります。西暦と二つの表記があるのは不便でもありますが、過去を振り返った時に元号で示される方がわかりやすいので、日本人には馴染み深い制度なのだろうと思います。どんな元号になり、どんな年になるのか楽しみでもありますが、何が起こるのか予測もつきません。諸行無常の教えを胸に、新たな年を迎えたいと思います。








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