住職レター H30年11月号

 秋が深まってくるにつれ、目を楽しませてくれていた紅葉も、落葉の季節になってまいりました。特にコンクリートや砂利の上の落ち葉は、掃いたそばから、また落ちる…といった具合で、掃除をした翌日にはまた同じ状態になっています。
 しかし、落ち葉を掃くことは、自分の心を掃き浄めることに通じるため、寺では修行の一つと言われます。
 また、こんな話も伝えられています。
 (お釈迦様の弟子のシュリハンドクは、もの覚えが悪く、そのことを悲観してお釈迦様にどうしたら良いか?尋ねました。お釈迦様は一言「掃除をしなさい」と教えられました。その言葉通り、ひたすら庭掃除に励んでいると、ある時、シュリハンドクは庭掃除が、自分の心の掃除に通じることを悟ることができました。)
 とは言え、やはりきりのない落ち葉掃除です。ブロワーを使ったり、竹ぼうきとテミ、熊手などのアナログなもので集めたり、日々苦戦しては、これといって特効薬も見つからないまま冬を迎えるのが常です。
 お寺のある倉敷市では、野焼きは禁止されていますので、集めた落ち葉は軽トラックで、市の焼却場に運んでいます。
 「野外焼却」とは適正な焼却設備を用いずに廃棄物を焼却する行為で、地面に穴を掘って焼却したり、ドラム缶で焼却するのはダメだそうですが、例外として除かれているものの中に「たき火その他日常生活を営む上で通常行われる廃棄物の焼却であって軽微なもの」という項目があるので、あくまで自己判断ですが、ほんの少しの落ち葉焚きは大丈夫だろうと思っています。畑で収穫したサツマイモで時々は焼き芋を楽しむのが、落ち葉掃除の苦労の中の小さな楽しみです。








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