住職レター H30年10月号

 一日毎に肌寒さが増し、境内も少しずつ秋が深まってまいりました。冬に赤く染まる千両も可愛い朱色になってきました。この季節の寒暖差は身にこたえ、体調にも影響してきますが、この寒暖差こそが紅葉の美しさを作ってくれるそうなので、悪いことばかりでもありません。
 各地の紅葉スポットで見られる風景は、まるで一枚の絵画の様に芸術的で、眺めていると豊かな気持ちになってきます。秋の桜と並び、私たちの心を癒やし、感動を与えてくれます。秋の優しい日差しを浴びて真っ赤に染まった山は燃えているかのように情熱的な風情です。しかし、紅葉というのは、実は葉の老化だそうです。WHO (世界保健機関) では,45歳以上が初老期と定義されるそうなので、自分ではまだ若いつもりでも、私自身も初老期に入っていることになります。初老と言われると寂しいのですが、きれいに色づいた紅葉を見ていると、人生の秋から冬に向かうこの時期も満更捨てたものでもないような気がしてきます。 私が物心ついた時にはすでにあった、樹齢も不明な渋柿の古木も、今年も頑張って実をつけてくれました。寒風が美味しい干し柿を作ってくれることでしょう。








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