住職レター H29年7月号

 今年も七夕会に参加することができました。
 七夕会とは、布教を共に学んだ仲間達と一緒に立ち上げた会で、年に一度、七夕の頃に集い、現地研修と法話を学ぶ事を目的としています。
 今回は、昨年新潟で行った「越後・良寛さんの足跡をたどる旅」の続編で、良寛さん(玉島)修行編と阪神淡路震災研修となりました。「玉島編」ということで、円通寺様への案内や、行程計画は私が担当致しました。
 良寛さんの真筆の掛け軸を前にして法要を行い、円通寺の方丈様のお話を拝聴し、共に座禅もさせていただきました。そして、今回は即興3分法話も行いました。短い時間の中、ぎゅっと凝縮された、実り多い体験ができました。昨年は良寛さんを生んだ越後という風土を自身で感じ、今年は改めて良寛さんの思いや生き方に対して考える良い機会になりました。
 二日目は神戸で震災研修をいたしました。慰霊と復興のモニュメントを訪れて祈りを捧げ、その後「人と防災未来センター」を見学しました。ここは、震災で得た教訓を後世に継承し、国内外の地震災害による被害軽減に貢献すること、及び生命の尊さ共生の大切さを世界に発信することを目的に設立された機関です。震災当時から現在に至るまでの復興の経過や、語り部の方の貴重な体験談を聞かせて頂きました。
 また福島に住まれている団長の中野老師からは、東日本大震災発生時の自身の状況や、その後のこと。震災被災者に対する思いを聞かせて頂きました。神戸に来られたのは三度目だということですが、来るたびに当時に思いを馳せ、今でも何かできることは無いか模索している、と話されている姿が印象的でした。会員それぞれが自分なりの震災復興に対する気持ちを持っていることと思います。それを確認するためにも、こうやってその地を訪れることは意義あることだと、この研修を機に痛感いたしました。








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