住職レター H29年6月号

 今年も梅仕事の季節がやってきました。毎年少しずつ新しいものにも挑戦しています。
 今年はいつもの梅干しに加え、カリカリ梅、梅酒、梅シロップ、煮梅、梅味噌、梅ジャム、そしてテレビ番組で観た「さしす梅干し」にチャレンジしました。さしす梅干しというのは、梅酢に漬けるのではなく、砂糖の「さ」、塩の「し」、酢の「す」にそのまま漬けるというもので、失敗が少なく、味はほんのり甘くて子どもでも食べやすいのだそうです。もちろん、「梅干し」ですので土用干しは必要です。
 煮梅や梅シロップ、梅味噌などは1週間程度で出来上がりますし、梅ジャムは熟した梅を使用すればすぐに食べることができます。それぞれお茶請けや、料理に使ったりして、もう美味しく頂いておりますが、梅干しは梅雨があけるのを待って土用干しして、更に半年〜一年程漬け続けます。美味しくなるには時間がかかるのです。

 先日のことですが、大学の先輩がされている備前焼の窯で焼き物体験をしに、息子とその友だちを連れて行ってまいりました。私は手びねりでひな人形を作ってみました。息子は自分用のお皿に挑戦していました。参加者は皆、先生の指導を受けながら、思い思いの物を造って、あとは窯で焼き上がりを待ちます。窯の都合があるので、いつのことになるか分からないと言われましたので、気長に待つとします。
 今は、何でもすぐに答えが求められるインスタントな時代です。ですが、梅干しも焼き物も、一日二日で出来上がるものではありません。時間を掛け手を掛けること、じっと待つこと…そこにある喜びを知ることも大切な経験だと思います。子どもたちにもしっかり体感させておきたいものです。








前号住職レター一覧次号