住職レター H29年2月号

 立春を過ぎて、ようやく厳しい寒さも幾分やわらいでまいりました。
 境内の梅の花も蝋梅が終わりかけ、桃色のしだれ梅が満開、紅梅と白梅が可愛い蕾をつけています。
 お寺の2月の行事といえば、お釈迦様のお亡くなりになった日にそのご遺徳をしのぶ法要をおこなう「涅槃会(ねはんえ)」があります。お釈迦様が入滅(亡くなられること)されることを「涅槃に入る」といい、その時の様子を描いた図が「涅槃図」です。
 涅槃図をじっくり観てみますと、上方から、生母の摩耶夫人が薬袋を持って降りて来られています。その摩耶夫人を先導するのが、お釈迦さまの十大弟子の一人で智慧の目を持つ「阿那律尊者」、泣き暮れているのが「阿難尊者」、それを介抱しているのが「阿楼駄尊者」、そのほかにもありとあらゆる人々や生き物たちがその死を嘆いております。
 この時期にしか観ることの出来ないものですので、どうぞお参りしてじっくりご覧になってみて下さい。
 また、涅槃会の時に作るのが涅槃団子です。お釈迦様の骨が5色に輝いたという言い伝えから、5色で作られます。当寺では、お供えしてから御下がりを頂くだけですが、東北や北陸では、団子撒きをしたり、お守りとして持ち帰り、無病息災を願うしきたりがあるということです。








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