住職レター H29年12月号

 今年も押し迫ってきて、いよいよ平成も30年目を迎えます。天皇陛下のご退位が決定した今、平成も残り1年ちょっとということです。30年前はまだまだ半人前だった私も、父になり、住職になり、娘たちは実家を離れ、息子たちもそれぞれ得度をして巣立ちも目前、今や残りの人生を考える年ごろになりました。とはいえ、まだまだ道半ば、やり残した仕事は山積み、同じく今年のうちに片づけたい仕事も山積みです。
 冬休みになった息子たちも、次々に手伝いをしてくれています。お札作りは、上の子から順にやってきた仕事で、今年は長男にその役割がまわってきました。几帳面な性格そのまま、1枚1枚時間をかけて丁寧に作っています。
 お飾りは、妻がしめ縄を結い、二男が飾りつけをしました。こちらは大らかな性格どおり、自由な飾り付けです。他にも大掃除や窓ふきも子供たちの仕事として控えています。補習や宿題もあるので、彼らも忙しい冬休みですが、「自分の事は自分でする。家のことはみんなでする。」という教育方針の元、時間を上手に使うこと、自分で工夫してやり遂げることを、学習してほしいものです。
 年末に、こうして忙しがっていられるのも、何事もなく1年を過ごすことができたお蔭です。「平成」の由来は、『史記』五帝本紀の「内平外成(内平かに外成る)」で、家の中は穏やかで、 世間も平和で安定しているという意味だそうです。 さらに国内が平和で、他国との関係も良好という意味でもあります。今年の漢字に選ばれた「北」は北朝鮮の脅威など、「平成」とはかけ離れた意味でした。平成時代の最後は、是非ともその名の通りに、平らに成る年であって欲しいと願っています。








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