住職レター H28年5月号

 海徳寺の山門の屋根は老朽化が激しく、このままでは、瓦の落下などの事故につながるというので、護持会役員会に諮り、この度保存修繕工事が始まりました。
 古くなった瓦を外して、まずは大工さんが基礎の工事をして下さいました。瓦は取り替えですが、鬼瓦と鯱鉾は焼き直しをして、再利用するのだそうです。小さな山門ですが、瓦を載せるので、しっかりとした造りになっています。1週間ほどで基礎工事は終了しましたが、とても美しいカーブを描いた屋根は流石の仕上がりです。
 後は瓦を載せるのですが、熊本の地震の影響で、現地に瓦職人さんが一部派遣されている為、工事が始まる目処はまだたっておりません。もちろん、壊れた住宅の屋根を梅雨入り前に修復したい方が優先されるには当然のことですので、今はブルーシートに覆われて、気長に待つつもりです。
 地震から1か月以上経過しましたが、復興はまだまだです。被災者の方々は今も落ち着かない日々を送られていることでしょう。
 ボランティア、支援物資、義援金など、県外の者にできることは限られます。我が家でも、家族で相談した結果、お寺からは、曹洞宗青年会ボランティア基金に寄付、個人では熊本市の被災された方への義援金と、熊本城災害復旧支援金に寄付をさせていただきました。子供たちも、お小遣いの中から、それぞれ500円、1000円、1500円を被災された方への義援金に送金しました。その際、メッセージを書く欄があったのですが、自分の気持ちを届けること、相手が不愉快でないメッセージにすること、など、不謹慎かも知れませんが、生きたお金の使い方をすることも含め子供たちにはとても勉強になったと思います。
 熊本城災害復旧支援金も送金先の一つに選んだのは、歴史ある城が無残に崩れていく様子を見て、胸がつぶれる思いがしたからです。熊本城の再建が復興のシンボルとなることを祈っております。








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