住職レター H28年4月号

 この度の、熊本地震で犠牲になられた方の冥福をお祈りすると共に、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。
 修行時代、阿蘇山にほど近い熊本県菊池市の聖護寺様に老師のお供で半年間お世話になったことがあり、熊本は思い入れのある場所です。  一日も早い復興を願います。




 私事ですが、三月下旬、長女の結婚式が、ここ海徳寺を会場に執り行われました。
 相手方は名古屋在住ですが、遠い岡山の地での仏前結婚式に快く賛同していただき、晴れて両家親族友人参列の元、仏前結婚式を挙げることができました。
 仏前結婚式とは、式場としてお寺を使っての結婚式という訳でなく、一番大事な意味は、ご先祖様への報告と感謝の式典であるという事です。「御縁」の世界で生きている我々は、その出会いに感謝し、いまここに生きているという事を御先祖様に感謝します。その事に思いをはせることで、両親やご先祖様からの美しい心と温かい血を受け継いでいることに気付き、改めて輝かしい新生活に向かって行けるのです。
 仏前結婚式の経験豊富な御随喜寺院様方の全面協力の元、父親の私が式師を務めさせていただき、私の兄と長男も堂行、侍者を、両家の妹たちが三々九度の酌をする「雄蝶雌蝶」を務め、アットホームでいて粛々とした良い式でした。
 式の用意も家族総出で、古い「高砂」の掛け軸は私が隙隙に表装しました。ウェディングベアは妻の手作りで、披露宴会場に飾ったウェルカムボートは長女の手作りです。
 ご本尊様の前には両家の御先祖様の位牌を祀り、式中では数珠の交換や、授戒を行いました。授戒とは、簡単に言えば、正しい生き方をすることを、仏様にお誓いする儀式です。きっと日々の生活の中に於いても感謝を忘れない、素敵な家庭を築いていくことでしょう。








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