住職レター H28年2月号

 海徳寺では、毎月第2、第4月曜日に写経会が行われます。読経の後、それぞれに写経をして、その後、精進料理を召し上がっていただいております。最近の禅ブームで、「1度だけ体験してみたい」という方も多いのですが、長い間、続けている方もおられます。
 先住の時代に写経会を始めてから、数十年余り、ずっとお寺に通われて、写経を続けられている方がいらっしゃいます。その方にお願いして、「海徳禅寺」と空白が浮き出る様に、写経をして頂きました。よそのお寺で同じ様な掛け軸を見て感銘を受け、レイアウトを考えてお願いしたところ、心よく了承して下さいました。とは言え、簡単に行くはずもなく、何度か失敗もしながら試行錯誤の上、一年掛かりで書いて頂きました。全部で2079文字の観音経を写経した大作です。その集中力は大変なものだったと思います。思い描いた以上の素晴らしい出来栄えに、ただただ感謝です。
 そして更に一年を掛けて、今度はそれを私が表装しました。月に一度程度のペースで表装同好会に参加して勉強しておりますが、先生や先輩方の助言を受けながら、少しづつ進めて行きました。とても本職の様にはまいりませんが、何とか形になり、新年から本堂に飾らせて頂いております。 今年の冬は暖かくて、新年早々あちらこちらで梅便りを聞きました。早いところでは昨年末から開花しているそうです。ですが、境内の梅は時季をたがうことなく、例年どおり、立春が過ぎてからちらほら咲きはじめました。蝋梅が一番に咲き終わり、続いて紅梅が咲き、白梅が咲き、桃色の可愛い枝垂れ梅もぼちぼち花をつけ始めました。待ちわびた春が今年もやってきました。







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