壊れた撞木


新しくなった撞木


きくらげ


たけのこも豊作


大鍋いっぱいのシナチク
住職レター H27年4月号

 太平洋戦争中の日本は戦局の悪化と武器生産に必要な金属資源の不足を補うため、金属類の回収を呼びかけました。寺院の梵鐘(釣りがね)も例外ではなかったのです。そして、その時代に当寺の梵鐘も回収されたそうです。以来平成になるまで、鐘つき堂には建物だけが建っていました。私たち兄弟が子供の頃には雨の日の格好の遊び場になっていたこのお堂ですが、梵鐘という押さえがない事により台風などによる倒壊の危険性もずっと言われ続けておりました。 平成2年、先代住職の晋山式が執り行われた際に檀信徒の皆様の協力により、新たな梵鐘を取り付ける事が出来ました。そして今年まで約二十五年、朝夕の時報として撞き、除夜の鐘やお参りの方に撞いていただいてきましたが、とうとう撞木の方が耐久を超えてしまい、この度交換することになりました。以前も撞木を支えるチェーンが切れたこともあり、そうなると大事故につながりかねませんので、金属部分を使っていない棕櫚の木の撞木に替えることも考えましたが、境内の棕櫚の木を伐採して形を調え、乾燥させて使用できるまで約十年かかると聞き、この度は断念しました。しかし、チェーンも撞木も新しくなり、これからもお参りの方に安全に鐘を撞いていただけることと思います。 雨と寒さの続く春だと思っていましたら、急に春暑し…となり、花も実も草もグングン成長を始めました。たけのこもあと少し楽しめますが、少々子供たちも飽きてきたようで、たけのこカレーやギョーザなど目先を変えています。最後は伸びてきたタケノコでたくさんのシナチクを作って保存食にするのが我が家の定番です





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