住職レター H27年2月号

 三寒四温の毎日ですが、冬の眠りから覚めた梅たちが、順々に花をつけ始めました。山門横のしだれ梅が可愛いピンク色に咲きほこっていて春の気配を感じます。
 節分、涅槃会と過ぎ、短い二月はあっと言う間に下旬を迎えました。二十四節気の立春と啓蟄の間のこの時期は「雨水(うすい)」に当たります。雪が解けて雨に変わり、氷が溶けて水になって流れる頃…という意味です。農作業を始める時期だと言われるように、この頃には庭や畑に青々とした雑草が生え始めています。この時期にしっかり手当をしておかないと、境内や墓地はみるみるうちに雑草だらけになってしまいますので、お彼岸までの一月足らず、せいぜい外仕事に精を出そうと思います。
 二十四節気をさらに細かくすると七十二候にわけられます。雨水の時期は5日毎に
 「土脉潤起 つちのしょううるおいおこる」( 雨が降って土が湿り気を含む)
 「 霞始靆 かすみはじめてたなびく」( 霞がたなびき始める )
 「草木萠動 そうもくめばえいずる」( 草木が芽吹き始める)
 と、三つの候になります。何とも季節感溢れる呼び方ですね。今は「霞始靆かすみはじめてたなびく」時期になるのでしょうが、春霞なのか?PM2.5か?それとも杉花粉では…?といった具合で、あまり季節を楽しむ感じではありません。でも、花粉症に効くと言われるつくしもほんの少し芽を出し始めましたし、蕗の薹、菜花、タラの芽、うどの芽、ワラビ…等、私の大好きな「春の味」をこれからの楽しみにしたいと思います。





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