住職レター H27年12月号

 秋の延長の様な気候で、ぼんやりとしておりましたら、新しい年が目前です。慌ただしく新年の準備に追われております。
 本堂の床がぐらぐらしている箇所があり、気になっておりましたが、大工さんに来て頂きあっと言う間に修繕していただきました。また、離れの畳表を替え、その際に見つかったシロアリを駆除したり、組んでいた青竹を新しいものに替えたり、押し迫ってから、あちこち補修しております。
 大掃除や窓拭きも、気候の良い時の方が効率良くできるのでしょうが、歳神様をお迎えするためにする年末の掃除は、日本人には欠かせない行事です。
 また、お釈迦さまが説かれた『掃除の五功徳』 というものがあります。

 一、「自心清浄」
  自分の身も心も清める。

 二、「他心清浄」
  掃除をしている人の姿を見ると、見た人の心も清めることができる。

 三、「諸天歓喜」
  全ての物が生き生きとして喜ぶ。

 四、「端正の業を植ゆ」
  何もかもが整い、美しい行いの種が蒔かれる。

 五、「命終の後、まさに天上に生ずべけれん」
  死んだ後、天の上で生き返る。


 掃除と仏教の関係は深く、曹洞宗では掃除は大切な修行のひとつです。また、学校で子どもに掃除をさせるのも、欧米では考えられないことだそうですが、掃除は思いの他、色々な力を養える行為です。子どもの頃から「掃除力」を身に付けられることは幸せなことだと思うのです。
 境内には、千両、万両、南天などの縁起の良いとされる赤い実が鮮やかに色づいて、水仙も少しずつ花を咲かせています。新しい年ももうすぐです。







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