住職レター H27年11月号

 10月31日〜11月1日、新見市の円福寺様で松尾裕之師が円福寺の新命ご住職となられる晋山結制の儀が執り行われました。
 晋山式(しんさんしき)とは、山に晋む(すすむ)と書き、「山」というのはお寺のことですから、つまりお寺に入るということであり、正式に住職の座に就く就任式のことです。
 結制は、正しくは結成安居といいます。多くの修行僧が集結して、お釈迦様の定められた制度に従って九十日の修行をすると意味です。
 晋山式に併せて、首座法戦式が行われます。住職に代わって仏法を説く事が許された者(首座)が共に仏道修行をする和尚さま方の前で問答を展開する儀式です。これは、お釈迦さまが霊鷲山においてお弟子の迦葉尊者にご自分の席を半分譲り、説法を許されたという故事にならったものです。この度、長男が首座、次男が弁事の配役を頂き、併せて私も本師として随喜いたしました。
 首座の配役は新命和尚様の弟子になる披露の意味もあり、新命和尚さまより、新しく衣や袈裟を頂きます。当寺でも何かお祝いをと考え、首座、弁事それぞれに絡子(略式のお袈裟)を送ることに致しました。法具店より購入すれば簡単ですが、折角の式典でもあるので手縫いの絡子にした経緯は10月号でお知らせしたとおりです。
 その後、西堂をつとめられた慈眼寺ご住職の和気弘宗老師に裏書を頂戴し、唯一無二の絡子となりました。
 晋山式のための練習は息子たちにとっては、少々辛かったようで(長男は問答や所作、次男は長時間の正座が大変だったようです)当日までハラハラさせられておりましたが、新命方丈様、書記和尚様を始め、皆さまに熱心なご指導を頂いたお蔭で、2人共大役を無事に務めさせていただきましたこと、只々感謝です。







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