椿も異国情緒があります。

住職レター H26年3月号

中国研修旅行 その@

 三月初旬、曹洞宗の開祖道元禅師様の中国での足跡を訪ねる旅に行ってまいりました。
 本庁研修の仲間で有志を募り、道元禅師入宋の地である寧波から、禅師ゆかりの古阿育王寺、阿育王寺、古天童寺、天童寺、浄慈寺を参拝する旅です。
 近年の反日感情やウィグル族の問題、PM2.5など若干不安もありましたが、現地の実績のあるガイドの方の同行もあるし、喘息の持病のある私は高性能のマスク持参で臨みました。
 初日は関空から上海へ飛び、更にバスで3時間揺られ寧波に入りました。まず、江厦公園の高祖大師入宋記念碑の前での法要を行いました。鎌倉時代、仏法の為に命がけでこの地にたどりついた禅師様の苦労と感激はいかばかりだったでしょう。飛行機とバスでなんなく辿り着いた私達と比べることもできませんが、800年の時を経て今、同じ地に立てた事は大きな喜びであり、新たな第一歩を踏み出せたような特別な感慨を覚えました。
 二日目は古阿育王寺など4か寺を参拝し、日本の寺社建築との相違点、仏様のまつり方などを教わりました。また、参拝の方々のお参りの作法にも驚かされました。線香はお供えでは無く、建物の中の仏様に自分に気付いて頂く為のもので、建物の外で手に持ち、四方に低頭すると役目を終えます。次に建物の中に入り仏様の前に進み、お拝をしますが仏様の前にはお拝の為の傾斜のついた台があり、ここに膝と頭を付けてお拝をします。立ったままの合掌低頭はしません。何度も何度もお拝を続ける、その真摯な姿にバスの中でガイドの方がおっしゃていた「中国の国民は仏教を心の拠り所にして暮らしています。」という言葉が蘇ってきました。





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