本性院ご住職の永宗幸信師


高梁市、定林寺様


美しく色づいた海徳寺の櫂の木





住職レター H26年11月号

 今年の冬は非常にゆっくりやって来ているようです。お蔭で、いつまでも山内の紅葉を愛でることができました。特に参道の櫂の木は、近年にないきれいなオレンジ色で見とれる程美しく色づきました。そして連日の雨であっという間に散って行きました。楽しませてくれた紅葉への御礼のつもりで、竹ぼうきで掃くこととしましょう。
 先日は、僧侶仲間で高梁の定林寺様のお寺の境内をお借りして芋煮会をさせて頂きました。定林寺様の御山内もちょうど紅葉の盛りで見渡す限りのモミジは紅く、樹齢100年超の圧倒される程大きな銀杏の樹も鮮やかな黄色です。
 夜になると裏の池がライトアップされて、さながら庭園旅館の様な趣でした。
 またこの会には、玉島黒崎にあります天台宗本性院ご住職の永宗幸信師においで頂き、「天台声明」を披露して頂きました。
 「声明」とは法要儀式に際し、経文や真言に旋律抑揚を付けて唱える仏教声楽曲です。伝教大師最澄が中国に渡り天台の教えを伝えたおりに、声明も伝えられましたが、これを体系的に伝えたのは慈覚大師円仁(794〜864)です。その後、良忍(1073〜1132)により京都大原に声明の道場(魚山)が開かれ、ここを中心に天台声明は伝承されてきました。現代でも天台宗はほとんどの法要に声明は使われ、また舞楽法要などは伝統音楽として、講演公開されています。
 (上記は天台宗HPより抜粋)
 CDで聞いた事はありましたが、目の前で浪々と唱えて頂いた声明は本当に素晴らしいものでした。お唱えの後はたくさん質疑応答にも応えて頂き、良い経験をさせて頂きました。曹洞宗の雲水方も数名おられましたが、分らないなりにも感銘を受けた様子でした。
 宗門の大学を出て、そのまま修行に入った自分には、他宗のことを知る機会は多くないので、こうした交流をさせていただくのは、とてもありがたいことです。





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