住職レター H24年3月号

 今年は寒波で花が咲くのが遅かったようですが、瀬戸内海に面した暖かい気候の当寺でも、3月も終わりに近いのに梅が咲き誇っています。梅、サクランボ、山茱萸(さんしゅゆ)、紅梅、椿の競演という考えようによっては見事な境内の木々です。4月には息子たちが揃って入学式を迎えます。このままいくと桜の咲き誇る入学式になりそうで楽しみです。
 おひなさまも昔は旧暦で祝ったものですが、今では3月末まで出していると珍しがられます。桃の節句の花桃も端午の節句の菖蒲も重陽の菊も、みな旧暦の時期に咲くようになっていますので、日本の行事は旧暦で祝う方がしっくりくるのではないかと思うのですが、今ではお年寄りの居る家でもないと旧暦を口にすることもなくなりました。
 盂蘭盆会も元々は旧暦の7月15日を中心としたものだったのですが、現在は月遅れにあたる8月15日が一般的になっています。
 おひなまつりのイベントは今や全国いたるところで行われていますが、県下でも高梁市の町屋ひなまつりや、真庭市のなかつい陣屋のおひなさまは旧暦でされるようです。
 我が家のひな人形も年々少しづつ増えていって、今年はイギリス、ローズオニール社のキューピー雛と、道後で購入した愛媛の南雲工房製木彫り雛人形、それに妻が児島で習って来て作った「ジーンズ雛」が新たに仲間入りしました。わざわざ見に来て下さる方も増えて嬉しい限りです。
 季節の行事や季節の花が楽しめるのは、四季のあるこの美しい国「日本」に生まれた喜びです。





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