住職レター H24年12月号

 師も走ると書いて師走…お坊さんがお経をあげるために走ったのが語源と言われています。
 写経供養、成道会、お歳暮・年賀状の用意、冬至の柚子湯、学校の懇談、クリスマス、大掃除、餅つき、お札作り、檀信徒様へ配り物の用意、しめ縄や松などの正月の用意、除夜の鐘と大般若祈祷…我が家を考えてみただけでも、よくもこんなに詰め込んだなというくらい、予定が目白押しです。
 子供たちにとってのメインイベントはクリスマスのようです。宗教が違いますが、ツリーを飾り、ケーキを作り、ちゃんとサンタクロースもやってきます。幼稚園の生活発表会がこの時期にありますが、我が家の子供たちは仏教幼稚園に通っていたので、「花まつり=お釈迦さまのお誕生」の劇をしたのですが、近くのキリスト教の幼稚園の子供たちは「イエスさまのご誕生」の劇をしていました。小さい手を合わせて般若心経をお唱えしたり、讃美歌を歌う姿はどちらも何ともいえず愛らしものです。
 日本人の多くが自分は無宗教だと言うそうですが、宗教心がないわけではないと思います。葬式や法事、盆・彼岸の墓参りをきちんとされる方がほとんどですし、子供さんは宮参り、七五三をして、クリスマスも祝います。我が家も寺とはいえ、地域の神社の氏子で、ちゃんと神棚もありますし、クリスマスも楽しんでいます。もはや宗教を越えた日本人の年中行事です。
 若い世代には特定の宗派に帰依することに抵抗感のある方が多いようです。『宗教』という言葉の持つ響きがカルト集団を連想させるせいかもしれません。しかし、ご先祖さまを大切にする気持ちや神仏に対する敬虔な気持ちを持っている限り、日本人は宗教離れなどしていない、大丈夫だと私自身は思っています。  31日には恒例の除夜の鐘、大般若祈祷を行います。(受験等のご祈祷も致します)鐘をついて煩悩を払い、爽やかな新年をお迎えください。







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