住職レター H23年1月号

 平成の世も23年目になり、平成生まれの社会人もめずらしくなくなりました。成人式のニュースを見ていましたら、今年の新成人の生まれた平成2年は、湾岸戦争ぼっ発や東西ドイツ統合などの世界的な大ニュースの起こった年だったようです。
 日本でもバブル経済が破綻した年でもあり、今の若者たちに安定志向の方が多いのは好景気を知らずに育ったせいでもあるのでしょうか?私たちの若い頃は、分不相応な高級車やブランド物をローンを組んででも買いたがる風潮がありましたが、今時そんな若者は見当たりません。ただ、そんな現実主義な若者に働ける場所が少ないと言うのは、大人として何とも申し訳ないことです。若者の未来に幸多かれと祈りたいと思います。

 我が家は今年は喪中でもあり、年賀状やお飾りの無い少々寂しい正月を迎えましたが、年明けから1週間で3件の葬儀をさせて頂きました。その為、恒例の檀信徒様方への年始挨拶も合間をぬって慌ただしく駆け足でさせていただくこととなりました。
 世間が正月気分にある中、家族を見送るご当家はさぞお寂しい気持ちであることでしょう。私自身も正月2日に母を亡くしましたのでよくわかるのですが、年月が経ちますと、図らずも親族が集まりやすい正月に、皆で祥月命日の供養ができることはありがたいことだと思うようになりました。 子や孫が顔を揃えて墓に参り、亡き人を偲ぶ正月も良いものです。



前号住職レター一覧次号