しだれ梅の実


境内も初夏の装い


ミニハーブ畑
住職レター H22年6月号

 境内の梅が実ってまいりました。今年もそろそろ梅仕事の季節です。
 梅は春先には可憐な花で楽しませてくれ、実をつけては日本人の伝統的な食生活にかかせない常備食に形を変えます。味加減のことを塩梅というほど、梅干しは昔から生活に根付いた食品です。
 我が家の子ども達は自家製のしょっぱいのが苦手なようで、市販の蜂蜜梅などを好みます。消費が追いつかず、年代物がたまっていっておりますが、梅干し作りは外せません。あとは、梅酒、割り梅、煮梅、梅ジャム…と、いったところでしょうか?妻と手分けして、毎年色々挑戦しております。
 それでも全部の木の梅の実は使い切れませんから、欲しい方にお持ちいただいているのですが、昨年はその実で作った梅肉エキスを頂きました。私が腸を患って暫く入院していたのですが、それを知ってのことだったようです。
 梅肉エキスはたくさんの実をすりおろした後、裏ごしし、それを水分がなくなるまで煮詰めます。本当に根気のいる仕事ですが、出来上がりはほんのわずかです。その貴重な梅肉エキスをまるまるひと瓶持って来てくださったのですから、ありがたいことです。毎朝感謝と共に、楊枝に少しだけ真っ黒なエキスを付け、いただいております。


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