住職レター H22年4月号

 4月の声を聞き、庭の桜もようやく開花を始めました。今年は暖冬だと言われ、桜も早かろうと思いきや、3月になってからの寒波続きで、結局去年よりも遅咲きの桜となりました。
楠、どんぐり、くぬぎなどの広葉樹がはびこる裏山にも1本だけ頑張って根を張っている山桜があります。遠くから見ても他の木々に埋もれてその姿は全く見えませんが、山を登って行くと、白い可愛い花に出会えます。人知れず咲く桜は私の密かな楽しみです。
 竹やぶには筍も出始めました。これから一月余りは、我が家の食卓の主役となることでしょう。

 四月八日は「降誕会(ごうたんえ)」です。広く「花まつり」と呼ばれて親しまれています。花を飾った花御堂の中に誕生仏をおまつりして、甘茶をかけてお祝いするのが一般的です。
 倉敷市玉島地区と浅口市の三十余ヶ寺の寺院及び檀信徒とで構成されている『玉島浅口佛教界・檀信徒連合会』では『花まつりと佛教徒大会』を毎年開催しております。本年は4月5日に玉島文化センターにて行われます。記念講演や御詠歌、舞踊奉納もあり、参加された壇信徒さんからも好評を頂いております。

『天上天下唯我独尊』
―天にも地上にも唯ひとつのこの命は何よりも尊いものである―
 お釈迦さまは、お生まれになると、すぐに立ち上がり、七歩歩いて、右手で天を指し、左手で地を指し、こう言ったと伝えられています。
 一人ひとりの命は無条件で尊い命です。誰にとっての命も自分のものと同じように大切な命なのですから、慈悲の心を持って暮らしなさいというのが、お釈迦さまの教えです。「降誕会」とは、皆がそれぞれの命の尊さを思いやり、感謝する日なのです。


前号住職レター一覧次号