住職レター 令和7年3月号
『1月は往ぬる2月は逃げる3月は去る』といいます。正月から三月までは行事が多く、あっという間に過ぎてしまうという意味です。
特に3月はお彼岸もあり、多忙な日が続いたのですが、京都の旧嵯峨御所大覚寺が、来たる令和8年に開創1150年を迎えるのに先立ち、東京国立博物館で1/21〜3/16まで開催された「開創1150年記念 特別展旧嵯峨御所大覚寺―百花繚乱 御所ゆかりの絵画―」を見るために日帰りで東京に行ってまいりました。あいにく雨模様の日でしたが、会期終了日の2日前ということもあったのか、入場にも行列ができるほどの人出でした。
大覚寺中興の祖である後宇多法皇をはじめ、同寺にゆかりの深い歴代天皇の書「宸翰(しんかん)」、重要文化財に指定されている襖絵・障子絵などの障壁画、天皇家ゆかりの五大明王像、伝承をもつ太刀などの素晴らしい寺宝に目を奪われました。また、通常は非公開の重要文化財「正寝殿(客殿)」のうち、歴代門跡の執務室であった「御冠の間」を展示室内に再現されていました。とても見ごたえのある展示でした。
お昼は、ちょうど仕事が休みだった長男と久しぶりに合流して昼食を共にし、帰りの飛行機までの待ち時間には国際線ターミナルに立ち寄り、外国に離着陸する飛行機をのんびり眺めていました。1日だけの休日でしたが束の間の息抜きになりました。
お彼岸まいりは例年のとおり、お家の仏壇にお参りと合同法要とのご希望の形を選んでいただきました。合同法要は春休みで帰省中の二男と二人でつとめました。合同法要に参加ができない御宅も、先祖供養の読み込みをいたしました。
3月最終の日曜日には檀信徒のみなさまに山内の掃除に来ていただきました。築山の手入れや草刈り、草取り、本堂内の拭き掃除などを手分けして、きれいにしていただきました。 先月、岩手で最大規模の山火事に見舞われて心配しましたが、3月には今治と岡山でも大規模な山火事が発生しました。特に地元岡山の山火事はすぐ近くに知り合いのご寺院さまがあることもあり心配していましたが、消防の方や自衛隊の方などのご尽力で、住宅火災やけが人などはなく鎮圧にいたりました。火事の原因は色々だったようですが、山の手入れも滞ると災害の原因にもなりかねません。気を付けていかなければと思います。
山門の桜も3月末になってやっと開花しました。当分は寒い日が続くようなので花もしばらくは楽しめるかもしれません。山内のあちこちに春の花が咲き始めて、長かった冬もやっと終わりをむかえたようです。
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