住職レター 令和6年10月号

 夏のとんでもない暑さの影響なのか、お彼岸の頃はあまり咲かなかった彼岸花も、10月になると急に咲いて、あっという間に散っていきました。少し遅れてヒガンバナ科の黄色い鍾馗水仙ショウキズイセン(鍾馗蘭)が一輪だけ花をつけました。この花は病を払い魔除けにもなるといわれる鍾馗さまの髭に似た花が咲くことが名前の由来ですが、洋名はゴールデンスパイダーリリー(黄金蜘蛛百合)、ヒガンバナと共にリコリス属で、リコリスの名前はギリシャ神話に登場する海の神様に由来しています。
 こぼれ種から咲いた庭のケイトウはぐんぐん伸びて1mほどになりました。異常気象に立ち向かう季節の植物を見ると元気をもらえます。
 10月中旬には山口市の湯田温泉で婦人会中国管区研修会が開催され、海徳寺婦人会からも4名が参加しました。中国管区の婦人会も脱退が相次ぎ、今では山口県と岡山県の2宗務所だけで頑張っています。研修は山口県二尊院ご住職の田立智暁師による地域と共に歩む寺のお話と、むかしなつかしお手玉会主催の中村信子様によるオリエンテーションだったのですが、中村様は御年81歳にもかかわらず、お手玉に加え唄や踊り、腹話術などで会場狭しと動きまわって参加者を楽しませたそうです。更に前泊した湯田温泉の旅館では、こちらも80歳の名物女将による「女将劇場」があり、水芸、マジック、和太鼓など様々な出しものをされています。また、岡山から参加した25名の婦人会員さんのうちの7名が80代で、それぞれ趣味やボランティア、地域の活動などに活躍されています。80代の女性パワーに圧倒され、元気を頂けたそうです。
 10月の下旬には娘の住む大阪に行って参りました。先月は妻が小学校の修学旅行先の金毘羅さんと善通寺に行きましたが、今回は自分の修学旅行以来46年振りの大阪城に入城しました。平日で小雨にもかかわらず、入城口には行列が出来ていましたが、インバウンドの影響か日本人の姿を探す方が難しいほど色々な国の方でいっぱいでした。城の中は、夏に行った松本城や昨年行った松江城のような天守が国宝に指定されている古城とは全く違って、エレベーター付きの近代的なミュージアムになっていました。各国の言葉でのアナウンスも流れ46年の歳月の流れを感じました。
 10月になってもまだまだ暑い日が続きますが、朝晩は冷え込んでまいりました。敷地内の渋柿の老木も多少実を付け、干し柿作りも出来ました。盆、彼岸と多忙が続いて行けてなかった仏像彫刻教室にもやっと顔を出して、干支を彫り始めました。あっという間に新年の準備を始める季節になってしまいましたが、今年もここまで元気で過ごせたことに感謝し、元気な高齢者を目指して精進したいと思います。









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