住職レター 令和5年9月号

 ついこの間、お盆が終わったと思ったら、息つく暇もなく、秋彼岸の準備が始まります。「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉は死語になってしまうのでしょうか?彼岸を迎えても一向に暑さは和らぐ気配がなく、特に日中は夏日、時には猛暑日の連続でした。
 彼岸の入りを迎える前の週、9月16日には、妻と二男の唄三線の先生でもある、沖縄出身倉敷市在住の唄者、玉城貞子さんが会主をつとめる沖縄音楽研究会の15周年の記念発表会「ひたむきに ひたすらに 唄さんしん」が玉島市民交流センターで開催されました。岡山の門下生を中心に、魚沼支部や東京支部、沖縄からも出演者が集まり、教師や指導者に認定されたベテランの生徒さんたちに加わり、息子たちも出演させていただきました。私もこの日一日は予定を空け、揃いのスタッフTシャツを着て駐車場係などの仕事をしました。そして開演後は客席から、玉城さんの心にしみる歌声と三線、津波琴江さんの素晴らしい琉球舞踊を堪能させていただきました。コロナ禍の三年間、門下生たちは長らく発表の場もなく、全体練習もままならなかったと聞いていますが、今年に入ってからの短期間で、よくぞここまで仕上げてきたものだと、先生のご苦労と生徒たちの努力に感動しました。発表会のテーマでもある「ひたむき」「ひたすら」この言葉に集約された、コロナ禍の日々の積み重ねが花開いたものだと思いました。
 暑さがダラダラ続いたためか、毎年彼岸に合わせてきっちり花を咲かせる彼岸花も少しだけ遅く花開きました。それでも頑張ってたくさんのキレイな花をつけています。渋柿や栗も実をつけ始めました。
 彼岸前には、昨年お寺の敷地内に移転された馬頭観音さまも掃除をしてキレイなお花が供えられ、地域の皆さまが集まりお参りをされていました。お彼岸の読み込みは今年も住職のみで行いましたが、次々とお墓まいりの方がこられて、墓地もたくさんの供花であふれていました。コロナ禍でも変わらず引き継がれるものがあり、コロナ禍を乗り越え花開いたものがあり、日々の積み重ね、たゆまぬ努力の大切さを改めて感じております。









前号住職レター一覧次号