住職レター 令和元年11月号

 11月10日は2019年おかやまマラソンが開催された日でした。私も申し込みをしたのですが、残念ながら本年は抽選に外れてしましました。二年前の初参加の時から走ることは続けておりますので、これに懲りず来年を目指したいと思います。 マラソンに落選した為という訳ではありませんが、この日は、お寺で壇信徒の皆さまによる山内清掃が行われました。前日まで曇りや雨が続いていたのに、当日は青空が広がり、気持ちの良い清掃日和となりました。ここ数年、春のお彼岸前、夏の施食会当日、秋と年3回の山内清掃をお願いしておりますが、いつも大勢の方にご参加いただきありがたい気持ちでいっぱいです。日曜日ということで、現役の働き盛りの方や子どもさんにも来ていただき賑やかでした。二年前からやっと手を付けられるようになった築山も毎回のお手入れで、すっかり枯山水のたたずまいを取り戻すことができました。駐車場や通路の草刈り、境内の草取りも皆さまで手分けしてキレイにしていただきました。ひとしきり作業をしていただいた後は、青空の下、縁側や境内でお茶を飲み、おにぎりや豚汁で一息つきました。暖かい気候だったので、お喋りが尽きることなく、これまた楽しい時間を過ごすことができました。
 曹洞宗の道場では、生活そのものが修行で、僧堂での立ち振る舞い、食事、すべてに厳格な規律と作法があります。道場の様な細かいルールはなくても、掃除をしてキレイにすることは人の心を爽やかにします。空間が清らかになることで、心も清らかになり、立ち居振る舞いもきれいになり心が整うからです。皆さま爽やかなお顔で「次回も参加したい」と言っておられました。
 今年は寒暖差のある気候のお陰で、参道のモミジも楷の木も境内の銀杏もとても美しい色づきを見せています。しかしこれも春の桜の様に一瞬の美しさで、すぐに大量の落ち葉に翻弄されることでしょう。落ち葉掃きもまた大切な修行、日々修行です。散る落ち葉に学びながら冬を待つことにいたしましょう。







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