住職レター 令和5年4月号

 先月修行から帰ってきた長男は、4月から横浜の友人のお寺に勤めることとなりました。3月中は近所の葬儀社さまのご好意でアルバイトをさせてもらっています。葬儀社は僧侶にとっては深い繋がりのある職場ですので、良い経験になっている様子です。
 3月初旬、その横浜の御寺院に親子で挨拶に訪れました。友人が父親の戒名から名付けて自身で立ち上げたその寺は、既存の寺院の在り方にとらわれず、世の中のため、人々のためになる居場所を作るというお寺の原点に戻ったものです。放課後の児童や引きこもりの子どもたちを広く受け入れる子ども寺子屋があり、アスレチック施設やヤギ小屋など、子どもたちの集う場所になっています。また社会公益のための永代供養墓や、朽ちたお社を再建したお稲荷さまもある宗派にとらわれない宗教法人です。長男が大学生の時、何度かお邪魔したことがあり、修行が終わったらここで働きたいという希望を叶えていただきました。長男にとっても良い勉強になると思い喜んで送りだそうと思います。
 コロナ禍になってからのお彼岸まいりは、家のお仏壇か寺で住職が戒名の読みこみをするかの、どちらかを選んでいただいていましたが、今年からは合同法要を開催することにしました。参加できない方の戒名の読みこみも法要の時に行いました。ご本尊さまを前に法要を行うことは、集まっていただいた方にも好評でしたので、次回からも続けて行きたいと思っています。
 お彼岸が終わると、味噌作りや春の保存食作り、蓮の植え替えなど、桜が散るまでのしなければならない作業に追われることになります。また平行して大工仕事などもしているので、時間がいくらあっても足りません。暖かい日が続くと、雑草も容赦なく成長しますので、草刈りや草取りも本格的に始めます。今年の味噌作りには、新たに購入したミンサーが大活躍でした。味噌作りで一番大変なのは煮大豆を潰す作業ですが、この作業を機械に任せることが出来て、とても楽でした。この秋も美味しい味噌が出来るのが楽しみです。
 つくし、フキ味噌、ワラビ、イカナゴなど季節の保存食もたくさん作りました。精進料理のお客さまにも、楽しんでいただこうと思っています。







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