住職レター 令和7年9月号
いよいよ来月下旬には、高梁市の龍徳院さまで晋山式(住職の座に就く就任式)がとり行われ、弟子(二男)の首座法戦式が控えています。お盆や施食会などの8月の行事が落ち着いたころ、役付きの僧侶が集合して、ならし(予行演習)が2日間にわたって行われました。まだまだ自信の無さからか声も小さくて、所作もおぼつかず、本番に間に合うのか上安で一杯ですが、DVDや書き物での予習とは違い、実際に動いてみて、雰囲気はつかんでくれたであろうと期待しています。親元から離れて生活しているので、日々指導できないことがもどかしいのですが、後は自分で研さんを積んでもらい本番には自信を持って臨んでもらいたいものです。
その二男は、夏休みの最後に三線のライブで新潟県魚沼市を訪れました。魚沼には曹洞宗の西福寺という有吊なお寺があります。開山堂には、日本のミケランジェロと呼ばれる彫工、石川雲蝶作の彫刻や絵画が施されています。曹洞宗の開祖道元禅師様を題材にした作品が多く、中でも圧巻なのは堂内の天井三間四方全面に施された大彫刻「道元禅師猛虎調伏の図《で、透かし彫りの繊細さと極採色のあざやかさで観るものに感動を与えると言われます。残念ながら二男は、ライブが終わるとトンボ帰りだったので、参拝は叶わなかったのですが、最寄りの駅「浦佐駅《(新潟県には新幹線の停車駅が7つもあるそうです!)にはこの彫刻のレプリカがあったとかで、写真を送ってくれました。私も下手ながら仏像彫刻を趣味にしていますので、いつか本物を見に行きたいものです。 9月には秋彼岸があります。例年とおり、ご自宅へのお参りと、合同法要での戒吊読み込みのどちらかを選んでいただきました。この秋から岡山へ帰ってきた長男と手分けしてお参りをしたので、随分と余裕を持ってまわることができました。山の整備や草刈りも手伝ってもらって随分と助かりました。法要に参加された方には、お茶のペットボトルとお菓子を持ち帰っていただきますが、今回のお菓子は石川県のビーバーというスナック菓子にしました。一昨年能登に行った際、見つけた菓子で、ほんの気持ちだけの石川県への被災地支援です。
今年もいつまでも残暑が厳しく雨が降らなかったりと、気候に悩まされましたが、お彼岸に合わせてヒガンバナが咲いてくれました。萩、ワレモコウ、オミナエシ、矢羽根ススキ、シュウメイギク、コスモスなども境内を彩り始めました。よくぞ酷暑に耐えてくれたものだと可愛い花たちを愛でております。
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