住職レター 令和7年8月号

 酷暑対策のために7月下旬からまわりはじめた棚経と、たくさんあるお盆の行事も、8月からは帰省した二男にも手伝ってもらいながらすすめてまいりました。 8月1日10時からは永代供養墓合同法要をおこないました。本堂での法要の後はお墓にお参りしますが、今年も暑さが厳しかったので、墓地にテントを張って、凌いでいただきました。
 13日は朝から清掃活動です。お檀家さまたちが手分けして、本堂、境内、参道、駐車場などをお掃除して下さいました。私と二男は午前中、近隣のご寺院さまの施食会法要に参加するため留守にしていましたので、すべての作業をお任せしていました。ご自身で草刈り機などを持参してくださる方もいらして、戻った時にはすっかりキレイになっておりました。暑い中ありがとうございました。 同日夕方からは、施食会法要です。施食会とは、ご先祖様だけでなく、祀り手のいない仏様や無縁の仏様など、すべての霊を救済することを願う法要でお盆の合同法要を兼ねて数年前から13日の17時に開催しています。親戚や近隣の僧侶方にご随喜いただき、先祖供養の法要と読み込みをしたのち、希望者には水施食の経木塔婆を持ち帰りか、またはお寺の玄関で水をかけて供養していただきました。また1年かけて増やしてトロ箱に放ったメダカを、すくい網ですくって持ち帰っていただく「メダカすくい《も子どもたちを中心に人気でした。
 お盆から後は、近隣寺院の施食会が次々にあり、忙しい日々が続きました。子どもや孫、私の兄弟も次々に帰省や墓参りに訪れました。
 今年の秋は弟子(二男)の法戦(ほっせん)が控えています。法戦とは、曹洞宗において修行僧が一人前の僧侶として認められるための重要な儀式です。高梁市の龍徳院さまという、親戚に当たるお寺のご住職が「晋山式(しんざんしき)=住職として披露される式《を迎えられるにあたり、その式での首座(しゅそ)という大きな役目を二男がつとめることとなりました。首座とは修行僧のリーダーであり、他の修行僧や高僧からの厳しい質問に対し、仏教の教えに基づいて問答を交わします。この問答の様子が、まるで法(仏の教え)を戦わせているように激しいことから「法戦《と呼ばれます。この法戦式を晋山式では必ず行います。二男は、まだ大学生で、きちんとした所作も教えてはいない上に、夏休みが終わると親元を離れての大学生活に戻るので、この夏休みに特訓しなければなりません。また、首座のお祝いのお返しである「回信《の準備、衣の脱ぎ着の教示など課題が山積みの夏でした。
 それでも、沖縄で三線のライブに出演したり、友人のキッチンカーを手伝ったり、国立ハンセン病療養所である長島愛生園を訪れたりなど、有意義な夏休みを過ごしたようでした。









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