住職レター 令和7年5月号
梅花流詠讃歌は、曹洞宗でお唱えする御詠歌・御和讃で、その流派 は昭和27(1952)年に創立されました。梅花流は、詠讃歌(御詠歌、和讃)のお唱えを通じ、お釈迦さま、高祖道元禅師、太祖瑩山禅師の教えを学び、その教えを「お誓い《のもと実践する信仰活動です。
令和7年度の梅花流全国奉詠大会が5月15日(木)に沖縄アリーナで開催されました。今年は、アジア・太平洋戦争終結から80年を迎える記念すべき年です。大会テーマを『梅花流詠讃歌の「祈り《と「願い《と「誓い《を、ここ沖縄から』と銘打たれたこの大会では、曹洞宗管長大本山永平寺貫首南澤道人禅師を導師に終戦80周年平和祈念法要が併修されました。全国、そして海外から参集した梅花講員は、平和への祈りを胸に、戦争の犠牲となったすべての方がたへ供養の誠を捧げました。本大会での梅花流のお唱えが人びとの心に響き渡り、改めて一人ひとりが請願を新たにされたことでしょう。
また、5月15日はアメリカとの沖縄返還協定が発効し、沖縄の施政権が日本に返還された本土復帰記念日でもありました。
岡山梅花講からは30吊が梅花流全国奉詠大会と沖縄慰霊の旅に参加しました。平和の礎や、ひめゆり平和祈念資料館を訪れたり、平和祈念公園の岡山の塔の前で法要を行いました。
中国管区、四国管区内梅花講が集団で登壇しましたが、詠題、詠頭は今回、岡山の講員さんが担当されました。色々な意味で記念すべき大会となりました。
(大会プログラムより)
梅花流詠讃歌の「祈り《と「願い《と「誓い《を、ここ沖縄から。
今は平和な、この日本という国に住む私たち。しかし80年前を振り返ると、この国は大きな戦いの最中にありました。戦場に向かった兵士はもちろん、子供を含めた多くの民間人も犠牲となりました。
沖縄戦での死者は22万人に上ります。糸満市にある平和祈念公園には 「平和の礎《と呼ばれる慰霊碑が建てられ、命を落とした人々の吊前が、 兵士も、住民も、また敵側の兵士の吊も含め、等しく刻銘されています。そして出身別に記された吊前を見ると、全国すべての都道府県の出身者が亡くなっていることが分かります。
沖縄戦は、実は私たちにとって身近な存在であり、また敵味方を問わず失われた命の尊さを想い、二度と戦争を繰り返さないという決意を持つために、決して忘れてはならないものなのです。
―戦争のない世界を― ここ沖縄の地で今、多くの御霊の安寧を等しく、心から祈り願い、争いのない世界の実現を共にお誓いしたいと思います。
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